店主より
3月、冬期醸造の小さな蔵はこの1ヶ月で今期の酒造り終了です。
冬の間、夢中で仕込み上げた大吟醸も搾り上がります。
30年程前、私が夢中で酒造りをしていた頃(私ではなく杜氏以下の蔵人ですね)四年連続全国鑑評会に優等入賞をいたしました。大吟醸を醸す際、何を1番に考え注意するのか?多分全国の蔵の杜氏が考えている点だと思います。如何に水分の吸水率を少なくして洗米し、ハゼ込みの多い上々の麹を造ることに皆様不心していることでしょう。私共でも同様、大吟醸の洗米は『分』単位ではなく『秒』単位での戦いでした。
時代が変わり現在、精白を沢山すれば米の中心部だけで酒造りができる故に超高精白をと進んでいるようですが、それは如何なものかと思っておりました。
先日、2月15日の夜テレビをつけますとNHKで石川県菊姫(?だったと…)の名杜氏、濃口杜氏(86歳)一度引退したが、4年振りに復帰し指導杜氏になった話し「酒造りの匠」「酒造りの神様」と言われるその人が映し出された映像は正に「米洗い」と「麹造り」でした。
いろいろ考案し、新しい考え方での酒造りは素晴らしいことですが、原点の考え方は変わっていない、30年前と同じだと考え深く拝見しました。
桑乃都 ㈲小澤酒造場 店主
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