店主より

「口噛み酒」
 おおよそ今から四、五千年前の話しです。
植物から澱粉をとり、それをデキストリンにして食べるといった一連の工程ができあがり、澱粉を糖化することが発見されたのが「口噛み酒」の始まりと考えられます。
例えば米飯を食べているうちに『甘い』と感じるのはデキストリンが糖化していることです。
これが「口噛み酒」の基であり、唾液中の糖化酵素が活躍した為の結果でありましょう!
これは木の実や、根茎類から澱粉を抽出すること、そしてそれをデキストリン化することに考えついたからこそです。
「口噛み酒」は東アジアから南太平洋、中南米にかけて分布し今尚、環太平洋地域の離島や遠隔地などにこの酒造りの痕跡を見ることができます。
「口噛み酒」とは字の如く「口」でデキストリンを噛み、壷🏺に移し暫くすると糖化発酵し空中に浮遊している酵母菌がその甘みに誘われて付着しアルコール発酵をするという訳です。これが澱粉を使って酒造りをした初めかと考えられます。
我が国でも当然、この方法での酒造りがなされており、千年程前迄春日大社などで醸造されていたようです。
桑乃都 ㈲小澤酒造場 店主

小澤酒造場

1926年より八王子の地酒を造っております。

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